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ハーバード留学中の朝倉先生よりお便り

By admin | 3月 20, 2010

みなさんご無沙汰しております。お変わりないでしょうか?

私は現在、米国・マサチューセッツ州ボストン市にあるハーバード公衆衛生大学院(Harvard School of Public health: HSPH)に留学しています。学校・留学生活について、簡単にご紹介したいと思います。
(以下、写真クリックで拡大します。)

HSPHは1922年に設立された公衆衛生大学院です。

最近は日本でも公衆衛生大学院が増えてきていますが、米国には医学部とは異なる独立した学校として数十の公衆衛生大学院があります(CEPHという認定組織に認定された公衆衛生大学院は43校)。

日本では医学部の端っこの方に公衆衛生学教室がある場合が多いのに対し、公衆衛生の専門家の必要性が認識され、大事に扱われているなあと思います。


【写真1】

【写真1】真ん中の高いのがHSPHの主な建物の一つ。右の少し低いのがCountway Libraryという医学部と共通の図書館。

HSPHには、修士課程(Master of Science: MS, Master of Public Health: MPH)と博士課程があり、学生数は約900名、35%の学生がMPH、23%の学生がMS、42%の学生が博士課程に在籍しています。日本人は全部で15人ぐらいです。博士課程に在籍している日本人が少ないように感じます。

私はMPHの課程に在籍しています。MPHは1年のプログラムで、学生は医師・看護師といった医療専門職に就いている人、もしくは米国のMedical Schoolに在籍していて、そちらをお休みして公衆衛生を勉強しに来たという人が大部分です。MPH programには7つのconcentration(専攻)があり、Clinical Effectiveness, Family and Community Health, Health Care Management and Policy, Global Health, Law and Health, Occupational and Environmental Health, Quantitative Methodsとなっています。

私の専攻はQuantitative Methodsで、主に疫学と生物統計学を勉強しています。簡単に言うと、医学研究をどのように計画し、実行し、まとめたら良いかを学んでいます。とはいえ、MPHは比較的広く浅く公衆衛生について学ぶprogramなので、その他の必修科目(Environmental Health, Health Service Administration, Ethicsなど)もたくさんあります。

キャンパスはボストン市内の便利なところにあるため、いわゆるアメリカの大学らしい“広大なキャンパス”といった感じはありません。日本の都市型の大学と同じような感じです。


【写真2】

【写真2】ハンチントン通り側から見たHSPH。もう一つ大きな建物があります。

授業は1人の主な先生の他、博士課程の学生(受講している学生の数にもよるが、大体複数)がTeaching assistantとしてついていて、small groupに別れてのラボセッションがあったり、個別に質問にのったりしてくれます。どの授業もたっぷり宿題があり、こなすのは大変ですが、きちんとやっていくと授業が理解できるようになっているので、期末試験前に追い込み勉強で大変な思いをする、という度合いは少ないです。(つまり、いつも勉強しているからですが・・・。)
【写真3】

【写真3】G1と呼ばれる大講堂。多くの学生が受講する必修科目はここで講義が行われます。


【写真4】

【写真5】

【写真4】カフェテリア。お昼時には一杯になります。メニューはアメリカらしく、油っこいものが多いように思います。

【写真5】コンピューターラボ。早朝に撮影したので誰もいませんが、試験前には一杯になり、席取りが大変です。PCには色々な統計解析ソフトが入っています。

こちらに来て感じたのは、前にも書きましたが、公衆衛生学の認知度が高く、それを専門にしている人の数が桁違いに多いことです。HSPHでも教員は約400名、さらに数百人ずつの研究者、職員がいます。これだけのマンパワーがあれば、教育の質が上がり、研究がはかどるのも納得できます。米国の医学生が、Medical School在籍中にSchool of Public Healthに学びに来ているとも書きましたが、これも良いことなのではないかと思います。医学部では病気については学びますが、医療従事者として社会の中でどのような位置を占めることができるのか、世界に対して何ができるのか、といった視点からの学びは少なかったように思います。若いうちに、自分が医師としてどのように社会貢献していくべきなのかを考える時間を持つことは大事なのではないかと感じました。

一方で、日本はとても素晴らしい国であることも感じています。日本人の自己評価は低すぎるのではないかと思います。日本の優れた各種健康指標(平均寿命の長さ、乳児死亡率の低さなど)は、授業でもしばしば取り上げられます。学問としての公衆衛生学の認知度は欧米に比べて低くとも、生活習慣や社会基盤といった部分で日本には良い点がたくさんあるのだと思います。海外から学ぶ、という方向性ではなく、日本の良い点を研究し、海外に発信していくことすらできると思いますし、そういう観点からも日本の公衆衛生学が発展していくことが望まれると思います。

もうすぐ帰国します。また皆様と一緒に仕事ができるのが楽しみです。それではお元気で!

Topics: 教室の活動 | コメントは受け付けていません。

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